気持ちよく転職する為に、円満退職を目指して

私は退職の目処が立ってから、じっくりと転職先を探そうと考えていたので、退職を急ぐことはありませんでした。それは、部下15名程度の事業所の責任者として、自分の退職後に業務に支障をきたしてはいけない責任があった為です。

そして、自分が退職しても、会社やクライアント等に迷惑をかけないことが第一であると思ったからです。また、他の事業所からの人事異動も不可能の状況であるのが分かっていたことも理由の一つでした。恐らく、中途採用での人員確保が必要であることと、引き継ぎ期間に限りがあることが分かっていたので、退職までの長期的な計画を事前に立てることにしました。

退職9ヶ月前(出勤最終日7ヶ月前)

まず、退職を決意して最初に行ったことは、上司への退職の意思表示ではなく、自分の仕事をスムーズに引き継ぎさせるために必要なことをリスト化することから始めました。各事業所によって個別のルールがあった為、引き継ぎをするためのマニュアルを作成することが何より重要だと考えました。シフトの作成の仕方、クライアントや関係者について、部下の仕事内容や評価等についての資料作成等が主でした。そして、部下へ任せられる仕事や引き継ぎに時間のかかる作業については、徐々に引き継ぎを進めていきました。

退職5ヶ月前(出勤最終日3ヶ月前)

その後、引き継ぎ資料や時間のかかる引き継ぎが進み、ある程度、新任者に引き継ぎが出来る体制を整えた後で、直属の上司に退職の意思表示を伝えました。その際には、退職日の希望と有給消化の希望もしっかりと伝えました。そして、会社の方で退職が承認され、新任者が決まるまで業務を行いながら待つことになりました。

退職2ヶ月前

新任者が決まった為、退職日の調整と有給消化の算段をつけ、上司と退職日を決定しました。新任者が決まったと同時に、すぐに行ったことは、部下へ退職することを伝え、新任者の紹介を行いました。

退職1ヶ月半前(出勤最終日1週間前)

最終出勤日1週間前に、新任者が初出勤してすぐに、引き継ぎを行いました。引き継ぎ資料を予め作成していた為、実質1週間程で引き継ぎを終えることが出来ました。また、クライアントや関係者へ新任者を連れて、挨拶周りも忘れずに行いました。退職手続きを無事に終え、翌日より有給に入ることが出来ました。

有給消化、退職後

有給を利用して就職活動を行い、無事に希望の会社に転職することが出来ました。また、退職後で必要な手続きは、健康保険、厚生年金や雇用保険の脱退手続きでした。

退職する上で注意する点は、引き継ぎにあると思います。業務によっては、自分が新任者に直接引き継がなければならないものとそうでないものがあります。新任者が決まってから動くのでは、退職日がいつまでも遠のいてしまう恐れがあったので、後者の業務については分割して部下に引き継いでいくようにしました。そうすることで、新任者に多くの負担をかけることを防ぎ、退職後に確認の電話が来るのを防ぐことが出来たのではないかと思います。

以前、実際に自分が前任者にしか知り得ない業務の引き継ぎを受ける際に、大変苦労しました。それは、前任者の段取りの悪さの為、引き継ぎされないまま業務に当たらなくてはならなかったからです。その経験を反面教師として、自分が引き継ぎをする際には、段取りよく行おうと考えることが出来たのです。その経験があったからこそ、自分が新任者に引き継ぎをする際には、スムーズに勧められるようにしっかりと計画を立て、実行することが出来たのだと思います。

なるべくなら、円満退職に持っていくことが誰にとっても、一番良いのではないかと思います。一社会人である前に、一人の人間として退職する日まで、そして、退職後のことを見越した上でよく計画を立てて行うことが大切であるのではないかと思います。